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2008/05/14 (雑談)最近のお勧め本と映画


最近読んだ本としては、平野啓一郎の「滴り落ちる時計たちの波紋」が面白かった。
その技巧、小説に対する真剣な姿勢、書き殴りでない彫琢された「作品」。
読み甲斐がある。
そして「最後の変身」に凝縮されたような同時代性、正面から描かれたわれわれの
世代の困難と甘え。
高校の頃だったか、大江健三郎の「人間の羊」を読んだ時に感じたような「厭な所を
容赦なくベロベロと舐め回された」ような感覚。
平野啓一郎、凄い作家です。もっともっと読まれるべきだ。


最近観た映画としては、「ニュー・シネマ・パラダイス」が良かった。
まあいろんな意味で面白いんですが、やはり最後にアルフレードの片見の
フィルムを映写する例のシーンはなんとも感動的だ。
こういう感じというのは「映画」独特のもので、映画を観るということの楽しみの一つだ。

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