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2006/08/15 (列伝)12:ディオゲネス「何が欲しいか」



ある時ディオゲネスは、小さな子が両手で水をすくって飲んでいるのを見て、
「簡素な暮らしぶりでは、私はこの子に負けたよ」
と言って、ずだ袋からコップを取り出して投げ捨てた。
また同じように、小さな子が皿を割ってしまった後でパンのくぼみに豆の
スープを入れているのを見ると、彼はお椀も放り出してしまった。

彼がクラネイオンでひなたぼっこをしているとき、アレクサンドロス大王が
やって来て「なんなりと望みのものを申してみよ」と言った。すると彼は、
「どうか私を日陰におかないでいただきたい」と答えた。


きましたよ清貧地獄が。
私のような俗人には到底辿り着けない場所だ。
と、即断で可能性を却下してしまうのは、やはり自分の欠点ではあるのだ。


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