知られたことのない星座 > for Philo-Sophia前のページ次のページ

2006/07/20 (列伝)6:ディオゲネス「伏線」



彼は、どんな場所をもあらゆることに利用したという。


これからしばらくは、ディオゲネスにお付き合いいただくことになろう。
この男、プラトンと同時代の哲学者で、まあ何と申しますか、破格の人間である。

アレクサンドロス大王も彼のことを欲していたが、大王をして「余がアレクサンドロス
でなかったとしたら、ディオゲネスでありたかった」と言わしめた、そんな哲学者である。

清貧を是とし、ボロを身に着け、神殿に転がっていた古い大甕に住み着き、ずだ袋を
担ぎ、杖を付き、ある時は奴隷として売られ(彼はその時「主人を買う者はいないか?」と
自分を宣伝した)、理不尽に殴られるとそれを数倍にして反撃し、それでいてアテネの
市民からは慕われていた、そんな男である。

知られたことのない星座 > for Philo-Sophia前のページ次のページ