答え「マゾ」 谷崎の「春琴抄」を読んだ。 盲目の三味線ひき春琴と、その奉公人佐助を描いた短い物語である。 春琴の美貌目当てに中途半端な気持ちで習いに来るものたちを追い返すためにも、春琴は 弟子たちを厳しく教えた。しかしそれが却って人気を呼ぶことにも繋がった。 谷崎はここで「幾人かはジャン・ジャック・ルーソーがいたであろう」と書く。 ルソーをして単なるマゾの比喩である。社会契約も糞もあったものではない。 嗚呼谷崎。ナンマンダブ谷崎。 物語は例によって谷崎的宇宙の中心に向かってどこまでも一途だ。 俺、谷崎、大好き。