知られたことのない星座 > for Philo-Sophia
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2004/01/31 (雑談)承前。Crazy Doctor
というわけでおれはまた冷蔵庫の前に立ち、先日と同じ壜を指差した。
「四百二十円。ここで飲む?」
おやじは壜の蓋を握り、今にも開けんばかりの体勢でそう訊いてきた。
「あ、はい」
何が一体嬉しいのか薄笑いを浮かべておやじは蓋を外し、隅の狭い空間を指差した。おれが
千円札と交換にその壜を受け取ろうとすると、何やらぼそぼそと云って壜を引っ込める。
黄色い錠剤が出てくるのかと思って見ていると、おやじは目の前の棚に置いてあった牛乳壜
を一回り大きくしたような容器の蓋を開け、大きな耳掻き状のもので粉末を掬うと、千円札を
渡した瞬間からおれのものになった筈でもある眠気覚ましの壜にそれを入れるではないか。
「ビタミンC・原薬」とか何とか書いてある容器のラベルを横目に見て安心していると、お
やじは壜の蓋を閉じ恐ろしい勢いでそれをシェイクして再度蓋を開けた。
「どうぞ・・・」
「ああ・・・どうも・・・」
おいおやじ、どうしておれと目を合わせないんだ。
また今日もおれは快適に仕事を行うことができた。
だが思うのだ。
あれは「本当に」ビタミンCだったのか? そしてこの間おれが「眠気だけ?」と訊かれた
時にそれを否定していたらどんなことが起こったのだろうかと。
三十分でシャキーン。
オマエハイッタイ客ニナニヲ飲マセルツモリナノダ?
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