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2012/10/21 ダーレン・アロノフスキー 「レスラー」 が面白い
2008年の映画「レスラー」を観た。
ミッキー・ロークが、過去の栄光の残滓しか持つものない年取ったプロレスラーを完璧に演じている。
てかあの肉体は「年取ったプロレスラー」そのものだろ一体何がどうなってるんだ?
ダルデンヌ兄弟の映画のように、ドキュメンタリーのように、手持ちカメラが冴えないプロレスラーの背中を追いかける。
若い時代には確かに栄光があった。
それは疑いなく確かに失われた。
肉体的挫折を契機にして、娘との絆を取り戻しかけるが、自分のダメさがそれの邪魔をする。
冴えないプロレスラーが冴えないスーパーの肉売り場の職をどうにか手にする。
屈辱を訴えることは屈辱的現実を認めることになるから抵抗しようとするがそれもかなわない。
何とも現実感に満ちた、胸の詰まるような映画だった。
「80年代は最高だった! Guns'n'Roses は最高だった! Nirvana が全てを台無しにした! 90年代はクソだ!」
2008年の映画である。
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