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2011/09/29 東電原発問題が起きたのが、福島で、本当に良かった


1

他人思いで、
優しさや謙虚さが美徳で、
そして無関心で強固に鎧った、
我々日本人たち。

誰も言わないから、
やはり私が言うしかないのだけれど、
放射能汚染が起きたのが、
福島で良かった。

田舎の中の田舎。
「何も無い」福島。
たくさんの人が「福島県ですか? 通過したことはあります」なんて言う福島。
肉と魚と野菜と水しか、無限のように豊穣な自然と雪兎しか、誇るもののない福島。
それだけあれば何もいらないじゃないか! と思う人間もいるだろうだけれど、
田舎の中の田舎。
放射能汚染で苦しみ悲しんだ魂の「数」は、田舎だから少なかったよ。
放射能汚染が起きたのが、
福島で良かった。

東京に原発があったなら、
そこで事件が起きたのなら、
苦しみの総量は百倍ではすまなかったろう。
映像で見た、
故郷をもぎ取られ、帰られる見込みは無く、
見知らぬ地で死ぬしかないと悟る一人の老人の絶望の表情一つでさえ、
私の胸をこんなにも締め付けてくるのに。

福島で良かった。

東京電力による、
東京のための原発が、
なぜか遠く福島にある。

この時のために福島にあったのだと、
当然のことを誰も言わない。
あなたも言わない。認めない。
義援金、とか言って一万円出すあなたも、
ボランティア、とか言って一日二日東北で瓦礫撤去を手伝ったあなたも、
「我々東京人の安全のために犠牲になった福島人へ」とは言わない。
心の呵責は負えない。
「自分のせい」
とは決して思えない。
私は、この、想像力の欠如が、魂の欠格と無能が、憎くてたまらない。

言いなさい。
福島で良かったと。



2

私は子供の頃から原発には関心があって、
本を読んでは恐れ、想像しては怯えていた。
直線的に一貫して徹底的に、私は原発が嫌いだった。
そしてここだけの話、
福島以外の原発で(できるなら外国の原発で)、
大事故が起これば良いと、
思い続けていた。
こういう考えが醜悪なのはもちろん知ってた。

でも、現実は福島。
地震の後、
「原発近くから避難してきた人たち」とかキャプション付きで、
母校である福島高校の体育館が映されたりして、
現実があまりにも非現実に見えた。

悲しい。
悲し過ぎる。
その悲しみが私に間違いを教えてくれる。
福島で良かったのだと。
他のどの原発でもなくましてや外国でもなく、
福島で良かったのだと。



3

福島とは何か。
福の島である。

福とは何か。
幸運、幸せ、幸い、
ただの lucky や happy ではない、
神から授かった特別な幸が、福である。

島とは何か。
などと問うてはならないし、
「島じゃないじゃん」
などと言ってはならない。
これは大切なことだ。

上記により、従って、
福島とは、
the island of luck and happiness given by god
と呼ばれるか単に略して、
happy island
であると帰結される。

どうして happy だなどと言えるのか?
その問いには回答済みである。



4

汚染ゴミの貯蔵施設について、
環境省事務次官が
「福島県だけの問題ではない」
「8都県に施設を設置する」
という考えを示した。

私は二つの理由から、これを否定し、汚染物質は福島にまとめて貯蔵すべきであると主張するものである。

一つ、
汚染物質の大半は福島に存在する。
既に汚染された福島に閉じ込めるべきである。
そのこころは既に説明済みである。

二つ、
なぜ、原発を東京にも置かない東京人が、汚染土壌貯蔵施設は東京に建設すると言うのか。
わざわざ、福島から汚れた土を輸送するようなコストを税金で支払ってまで。
それは「貯蔵施設の建設と保持」が大規模工事であり、地域の雇用ともなり、
癒着先の利益にもかなうからなのである。
福島県民の心を推し量って「汚染物質は決して福島に押し付けません」などと言っているわけではない。


とことん日本全体のことを考えられぬ公僕である。
官僚も無能だなあ、などと済ませるべきではない。
こういう公僕は害毒であるから積極的に排除するよう働きかけるべきである。

もう福島は原発の助成金などを国や東電から頂戴する乞食自治体である必要はないのである。
国の税金と東電の賠償金は、全て福島県に投入され続けなければならず、その量は十分であり、
その期間は永遠であるべきなのである。



---- 2011/09/29 www.asahi.com -----------------------------------------------
中間貯蔵施設8都県に 汚染土壌・焼却灰 環境省要請へ

環境省の南川秀樹事務次官は28日、福島県郡山市内で記者会見し、東京電力福島第一原発事故で
飛散した放射性物質を含む土壌や下水汚泥、焼却灰の処理について、中間貯蔵施設を福島県だけでなく
東京都や宮城県など関東・東北8都県に設置し、各都県が地元で保管する考えを明らかにした。
除染で除去する土壌が大量となる福島県については容積9千万立方メートル規模の施設が必要と述べた。

南川次官はこの日、福島県内で東日本大震災で出た災害廃棄物の処理状況を視察した。

その後の会見で、比較的高濃度の放射性物質を検出した下水汚泥やごみの焼却灰が、行き場がないまま
仮置き状態になっている問題に触れて、「(放射能を帯びた廃棄物の処理は)福島県だけの問題ではなく
県ごとの対応が必要」と述べ、福島と東京、千葉、茨城、栃木、群馬、宮城、岩手の8都県にそれぞれ
設置する考えを示した。


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