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2008/01/13 雪結晶
"SNOWFLAKE" なる本を読んだ。
雪結晶について書かれた本だ。
ページ一杯にプリントされた雪結晶の写真も美しいが、文章もまた楽しい。
雪結晶が綺麗だというところから作者の個人的な探求心は芽生えるわけだ
けれど、そういう「美しいと感じたことに惹き付けられる気持ち」という
のは分野を問わず共感できるものだろう。気持ちよく読めた。
ところでこの本の作者によれば、雪結晶について詳細な記録を残した最初
の人はデカルトなのだそうだ。デカルトといったらまあ、数学界の巨人で
あり哲学界の偉人であり何と申しますか大変な業績の方なわけですが、い
ろんなことをしてるものだなあ。
また、雪結晶の対称性について詳細に観察/考察した初めての人はケプラー
なのだそうだ。この人も星を見るだけでなく雪まで観察していたんですね。
関心と業績の他方位性というのは現代では見辛いことなので面白い。
ケプラーの発見だが、いわゆる平面的な雪結晶は、正六角形(あるいは
その倍数にあたる正十二角形)をしているのだそうだ。
今の時期はいたるところで雪結晶のデザインを見るが、それが正八角形
で描かれていたりしたらそれは翼の生えた馬のようなものだ。
「それは科学的に間違ったことではあるかもしれないけれど、別に悪い
ことではない。それはあくまでもデザインなのだから」
そう、それはそうだ。最近の人はそういうことを言いたがるし、私もそう
いう考えを半ば自然に抱いてしまっていることを自覚する。
しかし、もし逆に、雪結晶は正六角形型しか有り得ないのだということを
知っているがために自分のデザインに正八角形なんて入れないぞという拘
りを持っているデザイナーがいるのだとしたら、その拘りは多くの人に知
られることが無いがために不毛なのだろうか。
私はそうは思わない。それは価値のあることだと思う。
一方は価値を持ち、他方は価値を持たない。ならば価値を持たない方を
「悪い」と言っても良いのではなかろうか。
……話題が逸れた……
この本はうちの奥さんに買ってもらったんですが、セットだった「ゾウ!」
という本も合わせて、素晴しいプレゼントだった。
あんまりこういう感覚は期待していなかったのでますます嬉しい。
んー……こんなこと書いててこのページを読まれるとちょっと家庭生活に
問題を生じたりしかねないんですが……
んー……
……
…
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