「あなたはもう年寄りだ。今後は力を抜いてくつろぎたまえ」 と言った人たちに対して、ディオゲネスはこう応じた。 「何だって? もし僕が長距離コースを走っていたとして、ゴール間近になったときに、 僕はいっそう力を入れるのではなくて、力を抜くべきだというのかね」 死ぬことがゴールなのではない。 しかし、死ぬことは何の「完了」でも「解決」でもない。 哲学者の問いは、常に全力で答えられることを待っているのだ。 十代の青年が人生を問うことと、七十歳の老人が人生を問うことに何の差があるだろう。 トーマス・エジソンの「時計を見るな。 これは若い人に覚えてもらいたいことだ」という 発言も思い出される。