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2004/02/10 (雑談)今日のおれ


またしても出張で倉敷へ向かう。
朝の新幹線で岡山へ、そこから在来線で倉敷だ。事前に新幹線の時間は調べておいたので、
8:13 ののぞみに乗れば間に合うことは分かっていた。で、それより 1 本くらい前のやつ
に乗ろうという意志を見せ、寝覚めの悪い自分としては最高の努力を絞り出して、予想通
り 8:13 の新幹線にギリギリで間に合うという大成果を収めた。
ふん。
まあそれは良い。
で、読みかけの本を開いたとたんに眠りの続きに引き込まれていったまでは良かったが、
ふと気付くと新幹線が止まっているではないか。しかもそこは駅ではない。何やら回りの
乗客たちもぶつぶつと不平を漏らしている。
まずいぞ、煙草が切れている。おれは煙草を吸わないでいることには耐えられるが、吸え
ないでいることには耐えられない魂の持ち主なのだ。
通路をどこまでも歩いて自動販売機を探すものの、ファンタたらリゲインやらウーロン茶
やらは売っているのに煙草だけはない。参ったな。
社内放送によればここはまだ静岡を過ぎたあたりだとのこと、いかんぞ遅刻だ、いや、ま
だ間に合う可能性もある。
とりあえず部長に電話だ。
「すみません。なんだか煙草が切れたので、遅れそうです。時間は不明です」などとは言
わず「一つ前の新幹線が人をはねたみたいなので遅れそうです。現場検証中とのことで、
復旧の見込みはたっていません」と、中途半端に捩れた報告をする。復旧の見込みが立っ
ていないことではなく、それゆえおれが会議に遅刻することこそ告げるべきであったのだ
が、まあいいや。部長の演繹力に頼ろう。


後になって、先頭に穴の開いた新幹線が走っている姿をニュースで見た。
会議はおれごときが遅れようが何一つ問題なく進んでいた。
新幹線にはねられた人は、吹き飛ばされて隣の在来線を走っていた快速の窓にぶつかり
そこにもヒビをいれたとのこと。
どんな恐怖と絶望がそこにはあったのだろう。


イラクのサマワ(最近 NHK では「サマーワ」と発音・記述する)では、自衛隊が復興支
援活動のために集結しつつある。破壊されたイラクを復興するために、彼らはそこに居る。
アメリカのブッシュは「生物化学兵器がイラクにはなかったが、それを製造する能力が
あったのだから、戦争は正しかったのだ」と言っていた。ブッシュの論理によれば、彼は
既に核兵器を所有している(そして当然にも製造能力を持つであろう)北朝鮮とも戦争を
するべきなのだろうか。
良いとか悪いとかは措いておくとして、自衛隊の状況というのは日本の置かれた状況その
ものだ。
復興支援。その「支援活動」自体は敬意を払うに充分だと思う。彼らは命を賭けている。
世界が平和になれば良い。
ほとんど無力な願いだ。

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