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2010/11/13 こんなものを見た


数日前、朝のラッシュ時の秋葉原駅日比谷線改札で、無数の足の間を縫って大きな鼠が駆け抜けるのを見た。
地下鉄のレールのあたりでは良く鼠を見るが、あれだけ人通りがあるところにも現れるとは、と驚いた。


数日前、終電近くの品川駅、上りエスカレータでホームから出てくる人波をぼんやり眺めていると、
突然サラリーマン風の男がゲブげぶゲブげぶと嘔吐。白系の吐瀉物を足元に撒き散らしながら苦悶の
表情のサラリーマンがゆっくりとエスカレート。驚いた。


数日前、昼間の東武伊勢崎線、目の前に冴えない青年二人。
一人は肥満体。一人はガリガリ。
電車が動き出してややしばらくして、一人が「おおっ、カッチャン久しぶり!」などと言う。そのカッチャンも
驚いた声で応じる。会話から二人は二年ぶりくらいで出会った高校時代の同級生らしい。
今や大学生である二人は、謙遜だか自虐世代か知らんが文字通りに受け止めると「単位を落としまくっており」
「学校にはカワイイ子はおらず」「講義は理解できず」「金もない」上に「彼女もいない」。
二人のどちらかが「こういう出会いがおまえじゃなくてアオヤマさんだったりしたら、イイ感じなのにな!」
などと言うと、もう一人も「ほんとだよっ!」などと応じる。アオヤマさんは可愛い同級生だったのであろう。
しかしそれにしても、ここまで相互に朗らかに互いの価値を否定し合って喜ぶというのは滑稽を通過して哀れ。
一見して冴えない二人は、会話からして本当に冴えない二人であるらしかった。
アオヤマさんと出会えても何も起こらないであろう。


短い人生、もっと良いものを見たいものだ。


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