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2004/10/25 (雑談)ちょっと気になる音楽家 ---- チョン・ミョンフン
チョン・ミョンフン(Chung Myung-Whun)という指揮者がいる。
東京フィルハーモニー交響楽団との仕事などで日本とも縁のある韓国出身の男である。
以前 NHK かどこかで、彼が小学生に音楽を教える場面を追った番組をやっていた。
それはまあ、ありがちな作りの番組だったのだが、この指揮者には「この人は本物の芸術家だ」と
思わせる雰囲気があり、俺はいつかこの人の音楽を真剣に聞いてみたいと思った。
まず、通常の顔と、リハーサル時の顔が全然違うのだ。
これが、普通「彼が仕事をしている時の顔は違うんだよ」なんて言うのとは質が違う、と言える
くらい本当に本当に違うのだ。
リハーサル時には楽団員に言いたいことをズバッズバッと言ってしまい、本番では自由に演奏させる
のだそうだが、なんともほんとに激しいアクションだった。
あるイメージを示すために、リハーサル演奏中に「GUouuuooOOoouuaAh! N'fuhuuuUUUGGAAAAaaaAA!」
などと獣のような呻き声を上げるのだが、これがまずギョッとさせる。
喉の奥から絞り出すような声だ。指揮棒や体を駆使したコントロールに並んで、この呻き声が
「この指揮者の求める音」を楽団員に伝えることに寄与しているのは間違いない。
チョン・ミョンフン、熱い男である。
また彼は、その音楽キャリアをピアニストとして開始した。
チャイコフスキー国際音楽コンクールで2位というものだ。
そういう経緯もあり、今でもコンサート・ピアニストとしての顔も持っていて、件のテレビ番組でも
小学生にピアノ(たぶんショパンだった)を聞かせる場面があった。
その場での顔がまた良かった。
小学生たちをピアノのすぐ傍まで(本当に、演奏する彼のすぐ隣とかまで)招き寄せて「世界には
こんな美しい音があるんだ」ということを伝えられる喜びに満ちた表情で、余裕をもって演奏する
姿は、格好良かった。
で、どうなんでしょう。これを読んでいる人で、チョン・ミョンフンの CD を持っている人とか、
いませんかね。お勧めがあれば教えてくださいな。
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