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2004/08/01 (雑談)「ジャップ!」とか「ジゴク!」とか。


このところ、フランク・マコートの「アンジェラの灰」を読んでいる。
以前ビデオを見たことはあったのだが、小説を読んだという友人から「なかなか悪くなかった」との
感想も得ていたこともあり、新潮文庫で出たときに買っていたのだ。

読んでいない数百冊の本の山奥に消えてしまいそうになっていたのだが、この山は不思議と「硬そうで
堅そうで難そうな本が残り、そうでもない本は読まれる」という篩のような効果を発揮しているので、
アンジェラの灰のような「物語」は下山することができた。
(哲学書や文学書で、分厚いものはまず下山できず遭難する)


で、例によって話のすじとは関係ないのだが、途中で主人公が悪口を言われるようなシーンがあり、
以下のように描かれているのを見付けた。


フランキー・マコート
乞食の子
ただれ目
踊り屋
泣き虫
ジャップ


いやー。「ジャップ」ってねぇあんた……脈絡が……
いくら1940年のあたりの話とはいえ、アイルランドで「ジャップ」かよ。しかも取って置きの
文句として悪口の最後に配置されてますけれども……



罵詈言語と言えば谷崎の「痴人の愛」で、譲治がナオミを「ばいた! 淫売! じごく!」と罵る
場面(新潮文庫版 p195)があり、「じごく!」ってのも凄ぇなとか思った。
p231 では「畜生! 犬! 人非人!」とか言っていて、「犬!」という直接表現も強烈ですが。


会社の同期(女性)が道を歩いていて黒人に「ニガー!」とか言われたそうで、これもなんだか
なぁ、と呆れるばかりだ。ちなみにその時彼女は「いえ私黄色です」とか答えそうになったらしい。
イカレテルいかれてる。


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