目を醒ませ。あれが甦った。 指差せず語り得ぬ者が。 何が起き上がったのか知覚できる筈も無い。 それは形而上に形而上的に充満する魂ではなく、 おまえの眠りの夜空から、 俺の夢の地平までを直線を描いて貫く星。ではなく、 彷徨し続ける禍禍しい恐怖、 でもなく同時に祈りの残滓。 でもない。 しかし無論誤りだ。 おまえの最高の否定形を以ってさえ形容し得ぬものは、 あらゆる肯定のように、 あらゆる否定のように、 ただそこに居ながら在る。 しかし「存在」概念さえあれを語るには無力。 遠ざかれ。 決して不可知に触れるな。 しかし決して見失うな。